海関博物館に収蔵されているこの「台湾関の境界石」は花崗岩でできており、サイズは高さ約 71cm、幅 29cm、厚さ 11cmで、1996年に税関の職員によって発見されました。発見された場所は高雄の打狗英国領事館文化園区の北側の坂にある、清朝時代の打狗税関の税務司公邸(別名官舍)の付近でした。 清代の税関があった高雄の哨船街や安海街一帯では、これまでに「台湾関地界」の5文字が刻まれた5つの石碑が発掘されています。5文字の碑文が持つ意義は、はっきりと刻まれた「地界」の2文字にあります。これには強い主権宣言の意図が込められ、その土地が税関の所有で、その管轄下にあることを正式に宣告しています。恒春地区(例えば鵝鑾鼻灯台付近)でも、清代の税関が設置した境界碑が3つ発見されています。しかし、これらの境界碑の碑文には「台湾関界」の4文字のみが刻まれており、高雄地区の5文字の碑文とは区別されています。これは比較的単純な行政境界の区分で、灯台などの複雑な土地紛争が少ない地域では、「界」という文字のみを使用して税関の施設の範囲や境界を示していたと考えられます。「地界」が強調しているのは専有的な土地所有権と主権の宣言であるのに対し、「関界」は一般的な行政区画や範囲の警告に留まります。 海関博物館に収蔵されているこの境界碑は、清代の税関の歴史、土地の所有権、そして近代の行政システムを研究する上で重要な実物の証拠となっています。